もとピーターキャットのお隣から
最後まで読んでくださった方がいらしたなら、本当に本当に有難うございました。
この小説を書き上げ、読者の指示が集まり規定のポイントに達すれば出版できるというサイトに投稿したのは2007年12月のこと。
けれど、規定のポイントには遠く及ばず、
母の介護をしながら、郵便局でバイトする日々を支えてくれた出版の夢ははかなく消えました。
その後、様々な形でネット上に公開してきましたが、もう少し多くの方に読んでほしいという思いが高まりこのサイトを作りました。
話は変わりますが、千駄ヶ谷にある我が家の隣は、美味しくて、ずぼらな隣人にもとても優しい3件の飲食店が入るビルです。
そして、その2階には、かつて、村上春樹さんが経営していた「ピーターキャット」がありました。
とは言っても、彼が、関わっていた1970年代の終わりから1980年代のはじめといえば、私は、小説の主人公と同じく、厄介な病を抱えバレーボールに明け暮れる中高生。
2階のジャズ喫茶のことを気にする余裕など全くありませんでした。
月日が経って、『ノルウェイの森』にはまり、更に月日が経って、先のわからない生活から抜け出すため、彼と同じく、突然、小説を書こうと思い立ちました。
更に月日が経って、読み返すと苦笑いです。
体験や出会った人や憧れや想像や、様々なものをかなり強引に混ぜ合わせ作り上げた小説。
自分の、特に若い頃を知っている人には絶対に読んでほしくない、お話。
それでも、書き上げて16年以上が経って、再度、公開するのは、少々重すぎますが、伝えたい思いがぎっしり詰まっていたからです。
終戦から約20年。
精神医療に関しても今とは全然違う昭和という時代に生まれた主人公たちの物語が、だれかを勇気づけてくれたなら嬉しいです。
もちろん、校閲をしてくれる人がいるわけでもなく、今後も誤字脱字等々、そっと訂正することがあると思いますがご了承ください。
2024年5月16日
ペンネーム 澤野 春来